社内の「ありがとう」をお金で伝える~アメリカの社内システム。
私の働くアメリカ企業では、社内の人への「ありがとう」を会社のお金を使って伝えることができます。
今回はそのシステムについて、紹介させてください。
お金を送るのはこんなとき
例えば、自分の関わるプロジェクトで疑問点があり、その分野のエキスパートである人に質問した。プロジェクトチーム外の人だったけれどすぐに調べて答えをくれてとっても助かったので、丁寧にお礼を伝えた‥。
というケース。
相手に感謝の気持ちは伝わっても、その人はそのプロジェクトになんの関わりもないので、成果が出ても評価はされないし、その人の上司にその事実が伝わることもありません。
忙しい中時間を割いて調べてくれたのに、ある意味働き損とも言えます。
お金の送りかた、受け取り方
そんなとき、私の会社にはその人への「ありがとう」をお金で伝えるシステムがあります。
全世界の社員が使えるシステムで、Thank youを伝えたい相手と送りたい金額を選択すると、相手にお金を送ることができます。
もちろん会社のお金で自分の懐は痛みません。
具体的には、会社から支給されるデビットカードにその金額がチャージされるので、もらった人はそのデビットカードからいつでもお金を使うことができる、という仕組みです。Visaのデビットカードなのでどこでも使えます。
軽いありがとうなら25ドル
「ありがとう、お疲れさま」の度合いによって金額も選べます。
例えば、先日他のグループからちょっと面倒なことを頼まれ、でも比較的タイムリーに対応しました。すると、「Thank you very much for assisting xxx!! 」という感謝のメッセージと共に、25ドルがチャージされました。
また、先日とある問題が発生し、珍しく遅くまで働きました。それでも21時くらいですが。
裁量労働制のため残業代は出ません。今回のように致し方なく残業したときは、他の日の午後を休んだりと適当に調整しています。
ですがそれとは別に、自分のマネージャーから「Thank you very much for your hard work on xxx!!!」とこちらも25ドルがチャージされました。
このように、軽い「ありがとう!お疲れ!!」であれば基本25ドル(約2,500円)であることが多いです。
そしてこの金額であれば、誰からも承認を得ることなく個人の判断で勝手に送れます。送る側のマネージャーは知る由もないので、相手に感謝を伝えたい!!と思えばいくらでも送れます。
ちなみに送る側は「○○をしてくれてありがとう」という具体的な内容をシステムに入力する必要があります。
そのメッセージがシステムを通して相手にメールで届くのですが、そのメールに受け取る側のマネージャーもCCされるので、良い働きをしたということがその上司にも伝わる仕組みになっています。
25ドルと、そんなに大した金額ではありませんが、使わないで放っておくと結構たまってたりします。今自分のカードをチェックしたところ、アメリカで働き始めてからの1年半で560ドル貯まっていました。
すばらしい働きには100ドル、1000ドルが送られることも!
また、もっと何か「○○時間作業時間を削減した」とか「○○ドルの経費を削減した」とかいう明確な成果に対しては、きちんと申告することによってこれまたaward(現金)がもらえます。
100~250ドルくらいのこともあれば、もっと大きなプロジェクトの成果であれば1,000ドル (約10万円)以上もらえるケースもあります。金額が大きいawardになってくると承認プロセスがありますが、25ドルのありがとうは簡単に送れます。
現金ってやっぱりうれしい
25ドルがどれだけの動機づけになるかは分かりませんが、あの人をサポートするのちょっと大変だったな‥と思ったときでも、「I really appreciate your hard work!!」と25ドルを送られると、また助けてあげようという気になるのも事実です。ゲンキンですが。
小さなことも、きちんと評価するしくみ
特にアメリカの会社は明確にその個人の「成果」で評価されるので、そうすると自分の成果にならないことには時間を使いたくない‥ということにもなりかねません。
ですが、このようにお金というはっきりした形で感謝を示され、さらにその小さな成果が(自分からではなく相手から)自分の上司に伝わることで、他の人をサポートするモチベーションにもつながります。
もちろんそのお金とは別に、大きな成果があれば「こんなことをしてこんなawardを受け取った」ということで査定に高評価→昇進や昇給にもつながります。
仕事はボランティアじゃない!
何かをしてもらったとき、そのawardを送るか送らないか、どの程度だと送るか‥ということは個人の裁量です。
なので全然送らない人もいればちょっとのことで送ってくれる人もいます。
それでも、「ありがとう」の気持ちだけではなく具体的に感謝を伝えられる仕組み、私はけっこう気に入っています。プライベートやボランティアなら無料奉仕もいいですが、あくまで仕事なので。
日本だと、いちいちお金を絡めるといやらしい感じにとられてしまうかな?
これまた私の会社特有のシステムであり、他の会社でも同様の仕組みがよくあるのかどうか分かりませんが、アメリカらしい、分かりやすいシステムですよね。
↓アメリカでの仕事‥シリーズ。もしよろしければこちらもどうぞ。
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